
「もし自分が死んだら、お葬式やその後のことはどうしてほしいか?」
そんな問いを自分や誰かに投げかけたことはありますか?
あるいは、大切な家族と、その話をしたことはあるでしょうか。
私はある日、母とそんな話をしました。
どこかタブーのような雰囲気もありましたが、 話してみると想像以上にリアルで、考えさせられる時間になりました。
今日は、そんな母との何気ない終活の会話を、ひとつの記録として残したいと思います。
母の希望は散骨
「お母さんが死んだら海にでも撒いてくれる?」
母が実家の墓じまいを終え、その報告を私にした後、そう言いました。
驚きはしませんでしたが、「そんなふうに考えてたんだ」と、 母から初めて死生観に触れた感じでした。
「なんで海?」と聞くと、 母は「別に海が好きなわけでもないけど、墓はいらんしねえ。」と言いました。
「おじいちゃんの墓じまいで結構大変なのも分かったし、管理も大変だしね。」
理由はそこですよね。
私たちに負担を残さないように...との考えからこの方法を伝えてくれたのでしょう。
散骨について調べてみた
まだ決定事項ではないものの、母の希望を頭の片隅に置き、「骨を海に撒く」ということができるのかを調べてみました。
散骨(さんこつ)
散骨とは、遺骨を粉末にして海や山など自然の中に撒く方法です。
お墓を持たない自由なスタイルで、儀式もシンプル。
- お墓は不要という考えの方
- 自然や海が好きな(好きだった)方
- 費用を抑えたい
母が希望する「海に散骨」は海洋散骨と言い、最も一般的だそう。
実際にそれを専門に行う業者さんもいくつかあることが分かりました。
- 船に乗って家族で見送る方法(乗船散骨)
- 業者に委託して行ってもらう方法(代理散骨)
- 費用は5万円〜30万円くらい
- 骨を細かく粉骨して、海のルールやマナーを守って行う(粉骨をしていない場合、死体遺棄罪に問われる可能性もあるとか...)
業者に散骨を委託すると、費用はより抑えられるようですが、やはり家族で船に乗って見送りたいような気持ちもありますね。
散骨に対する考え方は人それぞれかもしれませんが、 「お墓を持たない」という選択が、今はもっと自由に、柔らかく受け止められる時代になってきていると感じました。
散骨以外の選択肢
① 永代供養(えいたいくよう)
お寺や霊園が、家族の代わりにずっと供養してくれる方法です。
遺骨は合祀(他の方と一緒に納める)されることも多いですが、一定期間は個別に安置するプランもあります。
- お墓を継ぐ人がいない
- 子どもに負担をかけたくない
- 管理の手間をなくしたい
② 納骨堂(のうこつどう)
ビル型の施設やお寺の屋内にある、ロッカー式や自動搬送式の遺骨安置施設です。天候を気にせずお参りができ、駅チカなどアクセスの良い場所に多いのも特徴です。
- お参りに通いやすい場所が良い
- 屋内で清潔に保管してほしい
- 管理がしっかりしている所を希望
③ 樹木葬(じゅもくそう)
遺骨を土に還し、樹木や花の下で自然にかえる供養のかたちです。石のお墓の代わりに、木や花を墓標とします。宗教不問の霊園も多く、自然志向の方に人気です。
- 自然に還りたいという思いがある
- 宗教や形式にとらわれたくない
- 家族やペットと一緒に眠りたい
- 個人(一人)で眠りたい


お墓を建てるという選択肢だけではなく、他の選択肢があるということを知るだけでも情報弱者にならずに済みますね。
私たち家族の今の考え
母の希望を聞いてから、家族ともこの話を共有しています。
「まあ、本人がそう望むなら...」と、受け入れる方向でいますが、まだ決定ではありません。
ただ、母の気持ちを知っていること、そして私たちもその準備をしておけることに、 少し安心を感じています。
「死」については、できれば避けたい話題です。
「どんなふうに生きて、どんなふうに人生を閉じたいか」を話すことは、大切なことだと母との会話で思いました。
私は、母の希望を叶えてあげたいと思っています。
それを前提に、費用についても事前に調べられるし、聞けてよかったです。
そして、私自身の終わり方についても、少しずつ考えようと思えるようになりました。
私はどうしてもらおうかな...これもまた別の時に綴ってみようと思います。
このブログを読んでくださっている方にも、 「もしもの話」を大切な人と話すきっかけになりますように。